ヨナ4章 ヨナの不きげんを直そうとされた

ヨナ4:6「神である主は一本のとうごまを備え、それをヨナの上をおおうように生えさせ、彼の頭の上の陰として、ヨナの不きげんを直そうとされた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ」
あたかも主がヨナに対して機嫌を取るような行為ですが、実はこの直後虫を備え、とうごまを枯らし、やけつく暑さでヨナを苦しめます(7-8)。主の試みにヨナは「私は生きているより死んだほうがましだ(8)」と訴えます。ここらがヨブとは違っているところです。ヨブは全財産と子どもを失い、自分には原因不明の腫瘍ができたにもかかわらず「私たちは幸いを神から受けるのだから、わざわいをも受けなければならないではないか(ヨブ2:10)」と言い、決して神を呪うような言葉や泣きごとを言いませんでした。しかも、妻からは「神をのろって死になさい(ヨブ2:9)」とさえ言われているのです。ヨナとヨブの妻の信仰のレベルが似ていることがわかります。それでもヨナの受けた試練は、イエス様に「預言者ヨナのしるしのほかに、しるしは与えられません(マタ12:39)」と言わしめるほど、大切な体験でした。ヨナの心には悪を行なったのだから死んで当然だ、という自分なりの考えがあったようです。しかし、主は植物のとうごまを惜しむのなら、人間ならなおさらだと言われています(11)。しかも、その人数は12万人以上もいるのです(11)。ヨナ自身やニネベの人の死を願ったり、この頃のヨナは死を軽視していたように思えます。