ハガイ2章 立ち枯れと黒穂病

ハガ2:17「わたしは、あなたがたを立ち枯れと黒穂病とで打ち、あなたがたの手がけた物をことごとく雹で打った。しかし、あなたがたのうちだれひとり、わたしに帰って来なかった。―主の御告げ―」
エズラ記によれば、帰還したユダヤ人たちの神殿再建の作業を妨害する力が働き、エルサレムの総督などを買収して工事を中断させています(エズ4:1-24)。作業中断はダリヨス第2年までとあるので(エズ4:24)、ちょうどハガイが立てられ預言した時期と重なっています(1:1)。中断した期間は18年だとされ、20年近くその地に住むとなると、衣食住を考えた普通の生活の営みがそこで行われるようになります。あたかも、エルサレムに戻って作物を育てて、その地で生活することが目的のようになってしまっては神殿など再建できるはずもありません。主が起こした作物の立ち枯れや黒穂病は、そのような気の緩みに喝を入れるためのものだったように思えます。同時に預言者ハガイが立てられ、ユダヤ人に主のことばを伝えたのも、すべては主のご計画があったからです。捕囚後70年が経っても、主はイスラエルの民を覚えておられ、預言者を通してことばを伝えていることこそが、主のご計画そのものだと言えます。中にはイスラエルは罪を犯したために、主から捨てられたと考えた者もいたでしょう。70年という年月はそれぐらいの勘違いを起こさせる年月です。しかし、主ははっきりと神殿で栄光を現すと言われています(1:8)。