創44:32「「というのは、このしもべは私の父に、『もし私があの子をあなたのところに連れ戻さなかったら、私は永久にあなたに対して罪ある者となります』と言って、あの子の保証をしているのです」
ヨセフをイシュマエル人に売ろうと提案したのはユダでした(37:27)。同時にヨセフに手をかけてはならないと言ったのもユダだと書かれています(37:26)。他の兄弟の怒りは膨れ上がっており、ヨセフを殺しかねない状態で、ちょうどそのときは長男ルベンはその場にいませんでした(37:29)。次男シメオンと三男レビは、ディナの一件でもわかるように血の気の多い者たちだったので(34:25)、ヨセフを殺すことには賛成していたでしょう。そうすると、年功序列では四男のユダが兄弟たちの意見をまとめる役になります。同様に今回のエジプトへの旅でも、まずユダが父ヤコブを説得し(43:3-10)、ユダがベニヤミンのための保証となっています(43:9)。このときも、ヨセフの前ではユダが直接話をしています(18)。ヨセフはユダの話の中から自分に関することを聞き(27ー30)、父ヤコブがベニヤミンだけでなく、自分のことも心に留めていたのだということを知るのです。ベニヤミンを離したくないという心の裏には、ヨセフへの思いがあったのです。そして、ユダがベニヤミンの身代わりになるという申し出を聞いたとき(33)、ヤコブと自分の兄弟たちの強い絆を感じ、そこにはヨセフ自身の安否も関わっていることを知ります。