創世記38章

創38:29「しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割りこむのです」と言った。それでその名はペレツと呼ばれた」
38章は不思議な章です。ユダはほかの兄弟と離れ、カナン人を妻にし、子供を設ける話から始まっています(1-4)。さらに長男エルにタマルという妻を与えたことが書かれています(6)。ここでちょっと時間の経緯を並べてみると、ヨセフをイシュマエル人に売ったのはヨセフ17歳の時です(37:2-28)。そしてヨセフがエジプトの総理大臣になったのは30歳の時です(41:46)。そして7年間の豊作の年が過ぎ、飢きんが始まったころヤコブの子たちはエジプトに下っていきます(41:47,43:2)。エジプトに食料をもらいに行くときにはユダは兄弟のもとに戻っています。すなわちヨセフ30歳までの13年と豊作の7年を足した20年の間に38章の出来事があったのだと思われます。タマルはどうしても子供が欲しいと義父をだましてまで子供を作ります。さらに保険としてユダの印形と杖を手に入れます(18)。この執念と賢さが双子の子供の片方に現れるのです。祖父ヤコブが兄のかかとをつかんだように、ペレツは兄の先に割り込みました。主はタマルとペレツを祝福し、イエス様はこの子孫として誕生されます(マタ1:3)。