ヨブ記2章 ただ彼のいのちには触れるな

ヨブ2:6「主はサタンに仰せられた。「では、彼をおまえの手に任せる。ただ彼のいのちには触れるな」

主はあえてサタンのそそのかしに耳を貸し、ヨブの全財産を打ちました(3)。ヨブはその試練に打ち勝ち、決して神をのろうことはありませんでした(1:21)。サタンという単語はすでに旧約の時代から使われており、ヨブ記が最も古い書簡とされているので、ヨブの時代にはサタンという概念があったようです。エデンの園で見られるように、本来ならサタンは神のいないときに人をそそのかすものだと考えられていましたが、ヨブ記を見ると神の前に立ち堂々と話していることがわかります(1)。新約ではパウロが神を汚さないことを学ばせるために、ヒメナオとアレキサンデルという兄弟をサタンに引き渡したという記述があります(1テモ1:20)。パウロとサタンが会話したとは思えませんが、おそらくあえて彼らの神への汚しごとを放置したのではないかと思われます。ここでも神はサタンにヨブを任せると言われています。ただし、ヨブのいのちには触れることができません。いのちがかろうじて助かったヨブは足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物でおかされ、自分の身をかきむしる有様でした(7-8)。最後に残された妻でさえ「神をのろって死になさい(9)」という始末です。それでもヨブは幸いもわざわいも神からのものだと信じ、神をのろいませんでした。