ヨブ記4章 あなたの望みはあなたの潔白な行ない

ヨブ4:6「あなたが神を恐れていることはあなたの確信ではないか。あなたの望みはあなたの潔白な行ないではないか」

エリファズはテマン人でエレミヤの預言では「テマンには、もう知恵がないのか(エレ49:7)」と言わしめたほど知恵のある部族の出身でした。3人の友人のうち最初に語り始めたことからエリファズが彼らのリーダー的存在で、かつ最年長だったことがわかります。エリファズはヨブをよく知っており、彼が多くの人を訓戒し、弱っていた人を力づけたことをわかっていました(3)。ヨブのことばでつまずく者を起こし、くずれるひざをしっかり立たせたとも書かれています(4)。ヨブがいかに多くの人を助け、愛を示していたかがわかります。そして、何よりもヨブが神を恐れていることはヨブの確信であり、彼が主の前で正しくあることがヨブ自身の望みだと理解していました(6)。それゆえに今回のヨブへの悲劇はエリファズには理解できないのです。あの潔白なヨブが神から懲らしめを受けている、と見えたのかもしれません。もしそうならば、今まではヨブは正しかったが、つい最近ヨブは神に対して罪を犯したのではないか、あるいは不敬の念をいだいたのではないかと考えていても不思議ではありません。「さあ、思い出せ(7)」の背後には、潔白な者を見捨てることがない神の正しさを信じるエリファズの信仰から出た言葉でした。