ヨブ記21章 報いを受けて思い知らなければならない

ヨブ21:19「神はそのような者の子らのために、彼のわざわいをたくわえておられるのか。彼自身が報いを受けて思い知らなければならない」

他の3人が悪者を語ったように、ヨブも悪者がどういうものかを知っていました。ヨブが考えるに、悪者は子孫は繁栄し(8)、彼らの財産も増え続け(10-11)、しあわせのうちに寿命をまっとうし、よみに下る(13)というものです。ツォファルの言うように、神が悪者が栄えるのを阻止されるとは(20:16)違った考えです。そして、ヨブは「全能者が何者なので、私たちは彼に仕えなければならないのか(15)」という悪者には、それ相応の報いを受けるべきだと言います。この点が友人たちの考える神を恐れない者とヨブとの違いです。ヨブは、もし自分が神を恐れず、祈りもせず、礼拝も怠るような者ならば、自分がその態度に相応する報いを受けるだろうと主張しています。神を恐れない者は「彼の目が自分の滅びを見、彼が全能者の憤りをのまなければならない(20)」とあるように、自分が滅びることを覚悟しなければならないのです。どんなに人生で繁栄した時代を迎えたとしても、人の行き着くところは「死」でしかありません。地上での繁栄が神の前で通用することもなく、神に貢ぎ物を差し出そうとしても、地上の宝を天に持っていくこともできません。墓に入り、土に戻るだけの人生で、どうやってヨブを慰めることができるのでしょうか。