出エジプト4章 あなたの初子を殺す

出4:23「そこでわたしはあなたに言う。わたしの子を行かせて、わたしに仕えさせよ。もし、あなたが拒んで彼を行かせないなら、見よ、わたしはあなたの子、あなたの初子を殺す」

この段階で、神はエジプトのパロは十番目の災いまで心をかたくなにしてイスラエルを去らせないことを見抜いておられました。「あなたの初子を殺す」と言われて、実現するまでに9回の災いがあり、9回パロは心を変えるチャンスがあったはずです。このことばはパロに言わなければならない(22)とされているので、当然パロも知っていたでしょう。それとも長子を殺すと言われても、パロには絵空事のように感じたのでしょうか。最も重要な内容なのにパロは悟らず、それは主がパロの心をかたくなにしていたからです(21)。しかも、主が打たれたのは、王座に着くパロの初子から、地下牢にいる捕虜の初子、さらにすべての家畜の初子に至るまでで、容赦のないものでした(12:29)。水が血になり(7:20)、いなごによって食料がなくなって(10:14)、全地が暗やみになって(10:22)、エジプトが危機的状況になってもパロの心はかたくななままでした。唯一、自分の長子が殺されたことだけはパロの心に響いたようで、最も大切なものをなくしたとき、パロの心の殻は破れたのです。もし、モーセが杖を掲げるたびに、神のわざが働いていると気づき、最初のいくつかの災いのときに、パロが心を入れ替えていたなら、エジプトの被害は少なかったでしょう。