レビ記3章 肝臓の上の小葉とをささげなさい

レビ3:4「二つの腎臓と、それについていて腰のあたりにある脂肪、さらに腎臓といっしょに取り除いた肝臓の上の小葉とをささげなさい」

日本では遺体は神聖なものとして、長い間解剖が行なわれてきませんでした。それに対して、古代エジプトではすでに人体のしくみを理解しており、ミイラなどに役立てています。また、西洋でも早くから人体の仕組みを知るために解剖が行なわれ、病気の原因などがわかってきました。しかし、それは19世紀以降のことで解剖学として確立するのもこの頃です。聖書では当たり前のように内臓の名前を名指ししていますが、イスラエルの民はその名前を理解していたのでしょうか。確かに、聖書では古くから全焼のいけにえをささげており、最も古い記述はノアの時代までさかのぼります(創8:20)。そのころから動物を殺して解体する作業をしていたのなら、動物のどの部分が肉て、どれが内臓かはわかっていたのかもしれません。たとえ腎臓がわからなくても、2つある内臓は肺と腎臓ぐらいしかないので、なんとなくわかっていたと思います。そして、いけにえでなくても家畜を食べるのは当たり前で、リベカはイサクのために山羊の美味しい料理を作ったとあります(創27:9)。イスラエルの民はどの部分がおいしくて、食べずに捨てる部分を区別していたと考えられます。内臓の部分もその一部で、それに対して肉の回りの脂肪はおいしいことはわかっていたはずです。