レビ8章 任職のかごにあるパン

レビ8:31「そして、モーセはまた、アロンとその子らに言った。「会見の天幕の入口の所で、その肉を煮なさい。そしてそこで、それを任職のかごにあるパンといっしょに食べなさい。私が、アロンとその子らはそれを食べよと言って命じたとおりに」」

パンは常に幕屋の中にある純金の机の上に、6個ずつ2列に並べられていました(24:6)。そのパンは安息日ごとに取り換えられ、新しいパンとなっています(24:8)。任職のかごにあるパンとは、おそらくこの取り下げられたパンを指すのではないかと思われます。ダビデがサウルに追いかけられ、祭司アヒメレクのところに行ったとき、食べ物を求めた記述があります(1サム21:1-3)。アヒメレクはパンは残っていないが、聖別されたパンはあるといって、取り換えたパンをダビデに与えています。その箇所では「その日、あたたかいパンと置きかえられて、主の前から取り下げられた供えのパンしかなかったからである(1サム21:6)」と書かれており、ダビデがアヒメレクを訪れたのが安息日だったことがわかります。祭司アヒメレクが聖別されたパンを持っていたということは、ほかのいけにえを捧げたり、香を絶やさず焚いているなど、モーセの言いつけ通りに神の掟を守っていた祭司だと言えます。モーセが主の命じられたことを行なったと書かれているのはレビ8章だけで9ヶ所もあり(4、9、13、17、21、23、29、34、36)、モーセがことごとく主の命令に従っていたことがわかります。