レビ記18章 これを犯してはならない

レビ18:6「あなたがたのうち、だれも、自分の肉親の女に近づいて、これを犯してはならない。わたしは主である」

「これを犯してはならない」の部分は、口語訳、新共同訳、新改訳3版とすべて同じ訳になっていますが、2017年訳からは「裸をあらわにして交わってはならない」という訳に変わっています。以降に登場する「犯してはならない」は2017年訳ではすべて「裸をあらわにしてはならない」となっています。それは、ヘブル語の「erva(エルバ)」が、「裸にする」という意味が強いものだからです。しかし、「裸をあわらにする」ことがどういう意味を持つかはレビ記を読む者にも理解できたはずです。ダビデもある日屋敷の屋上から、バテ・シェバの水浴びを見て心が奪われてしまっています(2サム11:3)。男性の前で、女性が裸になることは普通の生活の中ではあり得ないことです。唯一、二人が関係を持つときだけが、互いに裸を見ることができます。それゆえに、母でも(7)、父の妻(8)、姉妹(9)、孫(10)、義姉妹(11)、叔母(12-13)、息子の嫁(15)、兄弟の妻(16)、その他母娘、その孫娘(17)など、とにかく家族にかかわるすべての女性が対象となっています。イサクの嫁リベカはイサクのいとこにあたる関係でした(創24:15)。レビ記の命令は、肉親にあたる、妻以外の女性と関係を持つことを禁じていました。