詩篇35篇 休みなく私を中傷した

詩35:15「だが、彼らは私がつまずくと喜び、相つどい、私の知らない攻撃者どもが、共に私を目ざして集まり、休みなく私を中傷した」

ダビデの人生は王になってからも順風満帆とはいかなかったようです。サムエル記の中には具体的に敵がダビデを中傷し、ダビデが苦しみもがく様子は書かれていませんが、詩篇を読む限りダビデの日々の生活の中には多くの悩みがあったことがわかります。ダビデでなくても人生の中で自分がつまずくと人が喜び、中傷される経験は誰にでもあるでしょう。キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願う者はみな、迫害を受けるとテモテの手紙にもあります(2テモ3:12)。誰もがまじめで、品行方正だとは限りません。かえって、品行方正な者にはねたみややっかみがつきまとい、神を信じない人たちには嫌われるのです。ダビデの態度もそのようなものだったと思います。それでも、部下を思いやり、三勇士に至っては敵陣ペリシテの中にある井戸から命を顧みず、ダビデのために汲んでくる話もあります(2サム23:17)。人格が慕われていたダビデは敵にとっては恐怖だったのだと思います。そのような聖書のダビデの性格は現在でも愛されており、イスラエルの国旗には「ダビデの星」と呼ばれる日本語で「六芒星」、英語では「ヘキサグラム」と訳される印が採用されています。ダビデがどんなに悩んだとしても神に従う姿は、現在でも人々に愛されているのです。