詩篇38篇 私のいのちを求める者はわな

詩38:12「私のいのちを求める者はわなを仕掛け、私を痛めつけようとする者は私の破滅を告げ、一日中、欺きを語っています」

強い者に挑みたくなるのはどの時代でも同じです。名の売れた者に挑戦し勝つならば、その名以上の称号を得たことになるからです。かのブルース・リーも現役時代によくストリートファイトを持ちかけられたそうです。それは、それほど体の大きくない彼なら倒せるのではないかと考える者が後を絶たなかったからです。ボクシングでもベルトをかけてタイトルマッチが行われ、勝者にはチャンピオンという称号が与えられ、その後は挑戦者の挑戦を受けるようになります。ダビデも戦さに出れば必ず勝利し(1サム18:7)、近隣諸国としては、何とかしてダビデの首を打ち取りたいと願っていたはずです。ダビデが各国で指名手配されていたとき、国内ではダビデはサウルから逃げる生活を余儀なくされていました。強い者の運命なのでしょうか。サムエル記の中では多くはあまり書かれていませんが、何度もわなをかい潜り、多くの敵と相対さなければならなかったのは相当なストレスだったと思います。サウルに追われなかったなら、ガテのアキシュのところまで落ち延びることもなかったでしょう。さらに気が違ったような振る舞いもせずに済んだと思います。いのちを狙う「わな」は国外だけでなく、国内にもあったのです。