申命記6章 奴隷の家から連れ出された主を

申6:12「あなたは気をつけて、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出された主を忘れないようにしなさい」

出エジプトイスラエルにとって大きな出来事でした。それは、創世記に書かれているヤコブと12人の子どもたちの話だけでは国家とか部族という感覚はまだ生まれていなかったからです。もし、ヨセフがエジプトに行かず、7年の飢饉もなければ、ヤコブとその家族で村を形成する話で終わっていたでしょう。実際にヤコブの家族がエジプトに移ったときには70人だったと書かれています(創46:27)。神は400年ものときを待ち、イスラエルの民が増え、各部族が独立して約束の地に入っても十分な土地があることを知っておられました。それはアブラハムに約束された「あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう(創22:17)」の成就でもありました。出エジプトをして最初に数えた壮年の男子の数は603,550人でした(民1:46)。これに加えて妻、子ども、老齢の者たちがいたので、総人口は300万人とも500万人とも言われています。これだけ増えるのを待ったのは、もうヤコブの子どもの話ではなく、イスラエルという国を主が導くためだったと思います。それゆえに出エジプトでの奇跡は、いまだかつて誰も見たことがないような大きな神のわざが行なわれ、奴隷から解放されたことが全イスラエルにわかるようにされたのです。