申命記9章 ちりになるまでよくすりつぶした

申9:21「私はあなたがたが作った罪、その子牛を取って、火で焼き、打ち砕き、ちりになるまでよくすりつぶした。そして私は、そのちりを山から流れ下る川に投げ捨てた」

出エジプトでは金の子牛をつぶしたあと、イスラエルの民に飲ませたと書かれています(出32:20)。金の子牛は、イスラエル人がつけていた金の耳輪を集めて作られました(出32:3)。おそらくそれらの装飾物はエジプトを出るときに、エジプト人からもらったものだと思われます。神はイスラエルがエジプトを去る際に、イスラエルに好意を持つようにされ、金、銀、着物などを与えるようにされていました(出12:35-36)。他にも腕輪、首飾り、鼻輪などの金でできた装飾品もあったでしょうが、耳輪だけを集めたことになっています。モーセの幕屋を作る際に多くの金を使うように命じられていますが、その金は腕輪や首飾りなどのほかのエジプトからもらった装飾品で作られたのだと思われます(出25-30章)。幕屋に必要な金を取っておいて、残りは耳輪ぐらいしか金を集めるものがなかったのでしょう。それでも耳輪の金の量だけで、金の子牛はできています。荒野では貴重な金でしたが、子牛を作った分の金は砕かれ、川に投げ捨てられました。この事件は、せっかくもらった契約の板を壊してしまう原因になり、モーセの懐古では首謀者アロンも殺されそうになっています(20)。エジプトを出ても、イスラエルには混乱と迷いがあったのです。