詩篇53篇 イスラエルの救いがシオンから来るように

詩53:6「ああ、イスラエルの救いがシオンから来るように。神が御民の繁栄を元どおりにされるとき、ヤコブは楽しめ。イスラエルは喜べ」

詩篇53篇は、詩篇14篇とほとんど同じ内容で、1節が違っているだけです。それは「おまえたちは、悩む者のはかりごとをはずかしめようとするだろう。しかし、主が彼の避け所である(14:6)」というもので、主が不法を行なう者を見過ごすことがなく、信じる者には主が避けどころであることが書かれています。ダビデが同じ内容を即興で歌ったか、あるいは「マハラテ」という曲にこの詩がふさわしいと思ったのかはわかりません。内容がほとんど同じということから考えて、ダビデは何かの元ネタを見たか、あるいは持っていた可能性があります。「マスキール」が何かはわかりませんが、多くの聖書研究者は演奏法の1つではないかと考えています。また、教訓、指揮、瞑想などと訳している人たちもいます。現代の我々には、詩篇を日本語訳で読まなければならず、当時は楽器を奏でながら、イスラエルの言語で歌っているので、相当にニュアンスがずれていると考えられます。ユダヤ人が聖書を読むときには、声に出し、歌うように読みます。楽器の調べが、読むときに奏でられたのならかなり情緒の深いものになったでしょう。ダビデは「神はいない」という者たちを知っており、彼らの言い分を聞いていました(1)。そのような中でも神は働いておられ、信仰ある者を探しておられるのです(2)。