ヨシュア記5章 抜き身の剣を手に持って

ヨシュ5:13「さて、ヨシュアがエリコの近くにいたとき、彼が目を上げて見ると、見よ、ひとりの人が抜き身の剣を手に持って、彼の前方に立っていた。ヨシュアはその人のところへ行って、言った。「あなたは、私たちの味方ですか。それとも私たちの敵なのですか」」

抜き身の剣を持つということは、剣はさやに納められていないということです。聖書に出てくる天使の名は「ガブリエル」と「ミカエル」の2つだけです。旧約ではダニエルの預言の中に登場します(ダニ8:16、ダニ10:13)。ガブリエルは神のメッセージを伝える天使でヨセフにマリヤがみごもったことを知らせています(ルカ1:19)。ミカエルは戦いの天使で(黙12:7)、抜き身の剣を持った人とはミカエルのことだと考えられます。この抜き身を持つ人は、旧約の中に3回登場しており、最初は預言者バラムの前(民22:31)、そしてヨシュアの前方に現われ(13)、最後はダビデが人口調査をしたときに現れています(1歴21:16)。ミカエルが「主の軍の将(14)」と名乗っていることからもわかるように、戦うための天使だからです。聖書には書かれていませんが、ここでミカエルはヨシュアにエリコ攻略の作戦を授けています。それは、6章でヨシュアが的確に祭司や民に指示を出していることからもわかります。ミカエルの授けた作戦は神のもので、剣や道具を使って攻撃するものではありませんでした。それどころか、無言で城壁の周りを回るというもので、奇想天外とも言える作戦だったのです。