ルカ12章 地に火を投げ込むためです

ルカ12:49「わたしが来たのは、地に火を投げ込むためです。だから、その火が燃えていたらと、どんなに願っていることでしょう」

マタイの福音書の中でも「わたしが来たのは地に平和をもたらすためだと思ってはなりません(マタ10:34)」と書かれ、剣をもたらすために来たとあります。ルカでは火を投げ込むためだと書かれ、どちらもただでは済まない様子です。「むしろ、分裂です(51)」の本意はわかりませんが、この話は主人が思いがけない日の思わぬ時間に帰ってくることの延長として書かれています(46)。主人の心を知りながら、その思いどおりに用意せず、働きもしなかったしもべは、むち打たれるのです(47)。主人の帰ってくることを待つしもべと、まだもう少し時間があると油断しているしもべとでは、お互いの行動にも違いが出てくるでしょう。忠実なしもべとそうでないしもべとの間に不協和音が生まれるのは必然だとも言えます。イエス様は自分の帰ってくる時間は教えてくれませんでしたが、最後まで信仰を持ち続けることは教えてくれました。空を見て「雨が降る」とか「暑い日になる」と判断できるのなら(54-55)、時代を見てキリストが来られることを知ることもできるのでしょう(56)。それでも、歴史の中では再臨の時期を誤り、多くの誤解がなされてきたのも事実です。いつの時代もイエス様が帰ってこられると信じている人はいます。ただ、それがいつなのかは誰も知らないのです。