3ヨハネ1章 彼のしている行為を取り上げる

3ヨハ1:10「それで、私が行ったら、彼のしている行為を取り上げるつもりです。彼は意地悪いことばで私たちをののしり、それでもあきたらずに、自分が兄弟たちを受け入れないばかりか、受け入れたいと思う人々の邪魔をし、教会から追い出しているのです」

教会には秩序が必要です。誰でも発言することは許されても、何かを決定するには監督者がいります。教会によってはブラザレン教団のようにリーダーを特別に決めずに話し合いで決定する団体もあります。デメテリオという人物はどういう立場なのかはわかりませんが、ある教会員には強い態度でいたことがわかります。しかも、教会から追い出したとなると越権行為もはなはだしく、問題になってしまいます。ガイオはおそらくこの教会のリーダーだったのでしょう(1)。初代教会でも暴力的に問題を解決することはできず、このような問題児には悩まされていたようです。パウロにしろ、ヨハネにしろキリストを伝える者の普段の態度がきちんとしていないと相手を戒めるときにも侮られてしまいます。パウロはコリントの手紙の中で「手紙は重みがあって力強いが、実際にあった場合の彼は弱々しく、話しぶりはなっていない(2コリ10:10)」と言われていたようです。しかし、パウロは実際に会っても変わりがないことを強調しています(2コリ10:11)。ヨハネもまた実際にデメテリオに会うなら、強い態度で臨んだのでしょう。聖書にはヨハネがデメテリオに会って戒めた、後日談は書かれていませんが、きっと手紙にあるように厳しい態度で話したのだと思います。