ユダ1章 主が、民をエジプトの地から

ユダ1:5「あなたがたは、すべてのことをすっかり知っているにしても、私はあなたがたに思い出させたいことがあるのです。それは主が、民をエジプトの地から救い出し、次に、信じない人々を滅ぼされたということです」

ここで使われている「主」は、いくつかの写本では「イエス」となっています。2017年訳では「イエスは民をエジプトの地から救い出しました」と訳しています。出エジプトの時代にはまだイエス様は地上にはおられませんでしたが、手紙の筆者ユダは父なる神とイエス様が同一なのを理解していたのだと思います。三位一体は説明も理解も難しく、よく論議のまとにされます。パウロは「万物は、御子によって造られ、御子のために造られたのです(コロ1:16)」と述べており、パウロとユダは共通した三位一体の理解があったと思われます。また、次の節の御使いたちを暗闇の下に閉じ込めたと表現も(6)、ペテロの手紙にある「キリストは捕らわれの霊たちのところに行って、みことばを語られたのです(1ペテ3:20)」と一致しており、ペテロとも同じ教えのもとにいたことがわかります。つまり、手紙を書いたパウロもペテロもユダもヨハネもキリストは神であり、神の子でもあることを最初から理解していたことになります。もちろんイエス様は出エジプトのときにも天におられ、モーセが葦の海を分けたときもご覧になっていました。そして、約束の地の偵察から帰ってきた者たちが不満を言うのも聞いていたのです。