士師記18章 もとの名はライシュであった

士18:29「そして、彼らはイスラエルに生まれた自分たちの先祖ダンの名にちなんで、その町にダンという名をつけた。その町のもとの名はライシュであった」

イスラエルのことを「ダンからベエル・シェバまで」という言い方をします(1サム3:20)。この「ダン」の地はもともとシドン人が住んでいた地でライシュと名付けられていました(7)。シドンの町は海沿いの町で、シドン、ツロは海洋族で船を乗りこなすことが得意な部族でした(エゼ27:8)。ライシュは山のふもとにあり、川の近くで生活しやすい環境だったと思われます。そこに住むシドン人は自分達のならわしに従い、平穏に暮らし、押さえつける者もなかったと書かれています(7)。ただし、シドンからは距離があり誰とも交渉がなかったとも書かれています(7)。ダン族が最後のくじを引いたのは(ヨシュ19:40)、ナフタリ族の後でした(ヨシュ19:32)。ヨシュア記ではダンが領土を広げ、自分の部族の名前をつけたのは「レシェム」だとされています(ヨシュ19:47)。ダン族が他民族を襲うときに主にうかがったかどうかは書かれていませんが、ライシュに偵察に行く前には、ミカの祭司に出会い自分たちの領地散策が成功するかを主にうかがうように聞いています(5-6)。しかし、彼らの目にはミカの家の彫像とエポデとテラフィムと鋳像が写っており、主の声よりも自分たちの欲のほうが勝っており、後にミカの家に略奪に入るのです(18)。