詩篇87篇 神の都よ

詩87:3「神の都よ。あなたについては、すばらしいことが語られている。セラ」

神の都がエルサレムだとするなら、ダビデエルサレムを首都とし(2サム5:7)、ソロモンが神殿を建てて都として確立させました。しかし、エルサレムはやはり人の治める都であって、神の治める都ではありませんでした。それでもコラの子たちは神の箱のある都を大切に思い、主の前で神の都を歌ったのです。イエス様が来られてからは「神の国」を説いて宣教を始めました(マコ1:15)。それは神殿がある都を指しているのではなく、神が王として治められる国のことを語っていたのです。やがて福音はユダヤ人を離れて異邦人に宣べられました。それはパウロバルナバユダヤ人の頑なな態度を見て見切りをつけた形となっています(使13:46)。そのおかげで福音は全世界に広がり、本来シオンの出身ではない者も神の国の一人として数えられるようになったのです。コラの子たちの詩には予言的な要素も含まれているように思えます。彼らの言うラハブ、バビロン、ペリシテ、ツロ、クシュも当時知られていた異邦の民ですが(4)、神はご自分を信じる者たちには分け隔てなく門戸を開き、ご自分の民に加えてくださるのです。異邦の民すべてが神の前でかしずき、主を賛美する日がやってきます。