1サムエル記3章 主のことばはまれにしかなく

1サム3:1「少年サムエルはエリの前で主に仕えていた。そのころ、主のことばはまれにしかなく、幻も示されなかった」

「まれに」というのは、少ない回数でも主からの語り掛けがあったということになります。エリも若かれしころには、主に仕える心があったのだと思います。それでもサムエルが、夜中に自分を呼んだのかとエリのもとに来たとき、それが主からの語り掛けとはすぐに気づきませんでした。それほどエリの信仰は薄れていたのです。それが主からの声であることを知るのは3回もサムエルが来たからです。そして、エリには主が自分ではなく、サムエルに語らなければならない内容をなんとなく知っていました。それゆえに「もし、おまえにお告げになったことばの一つでも私に隠すなら、神がおまえを幾重にも罰せられるように(17)」とサムエルに告げています。おそらく自分の息子たちホフニとピネハスのことを語られたのだと薄々気づいていたと思われます。それに加えてエリ自身も体が重く太っていたので(4:18)、自制心に欠ける生活をしていたことが推測されます。しかもエリとその息子たちが死ぬ時期に契約の箱をペリシテ人に奪われ(4:11)、イスラエルにとっては、さばきつかさと神の箱という両2本柱を失うという結果になってしまいました。これからサムエルが成長し預言者として活躍しますが、民の心には「王」を求める風潮になっていくのです。