1サムエル6章 これを見てその日のうちに

1サム6:16「五人のペリシテ人の領主たちは、これを見て、その日のうちにエクロンへ帰った」

神の箱は本来至聖所に置かれるものです。神の箱は神の臨在が現れる場所として置かれており、箱の上にある2つのケルビムの翼の間から大祭司に語りかけるようになっていました(出25:22)。いわゆる神の栄光をまともに見ることがないようにフィルターのような役割をしていたのです。しかし、そういうことを知らない長老たちは「神の箱」自体に神が宿り、力があるのだと勘違いしていたのです(4:3)。それはペリシテ人も同じで神の箱を見た瞬間「ああ、困ったことだ。今まで、こんなことはなかった(4:7)」とつぶやいています。イスラエル、ペリシテ、双方ともに神の箱を力のみなもとだと勘違いしたことで話は続いています。ペリシテ人がアシュドデに神の箱を運びますが、アシュドデはダゴンの神の神殿のあったところで、ペリシテ人イスラエルの神の箱をダゴンと同等に扱おうとしたのです(5:2)。ところがダゴンの像は切り刻まれ(5:4)、散々な目にあってしまいます。ペリシテ人は困りなんとかして神の箱を返そうとしますが、誰も触りたがりません。結局、苦肉の策として考えたのが、牛に引かせて返すというものでした。箱はベテ・シェメシュに向かいますが、そこはレビ人の住む街でした(ヨシュ21:16)。