1サムエル9章 最も小さいベニヤミン人ではありませんか

1サム9:21「サウルは答えて言った。「私はイスラエルの部族のうちの最も小さいベニヤミン人ではありませんか。私の家族は、ベニヤミンの部族のどの家族よりも、つまらないものではありませんか。どうしてあなたはこのようなことを私に言われるのですか」」

ベニヤミン族は士師記の中であやうく部族の存続を断たれようとした部族です。他の11部族はベニヤミンに誰も嫁がせないと誓い合っていました(士21:1)。しかし、ヤベシュ・ギルアデから400人の若い女を見つけ、ベニヤミンにあてがい部族が滅びることがないようにしています(士21:12)。それゆえサウルの里はヤベシュ・ギルアデであり、サウルが亡くなったときも、ヤベシュ・ギルアデの人たちがサウルを葬っています(2サム2:4)。そのような少数の部族の中でもサウルは比較的裕福で(1)、背も高く容姿端麗な青年でした(2)。いくら裕福であっても、ベニヤミン族は小さく他の11部族と肩を並べるには、まだ多くの時間を必要としていました。そのようなことを理解した上でサウルはサムエルに「どの家族よりも、つまらないものではありませんか(21)」と答えているのです。本来ならユダ族やエフライム族からリーダーを立てて、そして国を治める王となるのが手順なのでしょう。しかし、神の考えと人の考えには大きな隔たりがあります。サウルは失敗するまでは純粋で力のある立派な青年でした。ただ、ダビデと違うところは失敗しても悔い改めず、主を求めなかったことです。王に選ばれた器が絶対正しいとは限りません。その人の信仰によるからです。