サムエル13章 十二年間イスラエルの王であった

1サム13:1「サウルは三十歳で王となり、十二年間イスラエルの王であった」

30歳と書かれているのはいくつかの70人訳の中にあり、オリジナルのヘブル語では「30」という数字は書かれていません。そのため同じ新改訳でも第3版と2017年訳では解釈が異なります。第3版では「30歳」、2017年訳では「ある年齢で」と具体的な年齢は省かれています。また、サウルが王であった期間も「12年」になっていますが、2017年訳では「2年間」となっています。参考までに新共同訳では「サウルは王となって一年でイスラエル全体の王となり、二年たったとき」と訳され、口語訳では「サウルは三十歳で王の位につき、二年イスラエルを治めた」となっています。さらに使徒の働きの中ではサウルは40年間王であったと記されており(使13:21)、混乱に拍車がかかっています。「12」のヘブル語「shnayim(シェナエイム)」は、おもに「2」と訳されていますが、「12」と訳されている箇所も多くあり、どちらを取るかは前後の文脈を考えなければなりません。英語訳でもキングジェームスは2年、NIVでは42年、NASBも42年と訳されています。聖書を読み進めるとサウルがアマレクを聖絶しなことで王位を退けられています(15:23)。サウルが42年や40年王だったとするには無理があるようです。