1サムエル31章 これをヤベシュに運んで

1サム31:12「勇士たちはみな、立ち上がり、夜通し歩いて行って、サウルの死体と、その息子たちの死体とをベテ・シャンの城壁から取りはずし、これをヤベシュに運んで、そこで焼いた」

ヤベシュ・ギルアデはベニヤミン族が存亡の危機にあったときに、街の女をベニヤミンの男たちにあてがい(士21:12)、12部族のうちの1つがなくなることはありませんでした。ベニヤミン族とヤベシュ・ギルアデはそれ以来の付き合いで、サウルにとっては故郷にあたります。そのようなベニヤミンとヤベシュ・ギルアデとの関係もあり、サウルが王として立てられたのは彼らに取っては大きな誇りであったでしょう。最小部族から選ばれたサウルは、最初はなぜなのかと戸惑い、選ばれるときも荷物の影に隠れていました(10:22)。しかし、サウルは主とサムエルのことばに最後まで従い通すことができなかったのです。そのため早くからサウルは王位を退けられ、別の者に王位が移ったことを告げられていました(13:14)。その原因となったのは自分の判断を優先させたことに起因しています。しかし、王の上には神がいて、王は神の意向によって国を治めるべきなのです。それを実現したのがダビデで、ダビデと主のやりとりは詩篇の中でも多く書かれています。イエス様の言われた「だれでも人の先に立ちたいと思うなら、みなのしんがりとなり、みなに仕える者となりなさい(マコ9:35)」は真実なことです。