1サムエル17章 獅子や、熊の爪から

1サム17:37「ついで、ダビデは言った。「獅子や、熊の爪から私を救い出してくださった主は、あのペリシテ人の手からも私を救い出してくださいます。」サウルはダビデに言った。「行きなさい。主があなたとともにおられるように」」

なぜサウルはダビデを戦いにいかせたのでしょうか。ダビデの兄でさえダビデを信じておらず「私には、おまえのうぬぼれと悪い心がわかっている。戦いを見にやって来たのだろう(28)」と言っています。自分の家族でさえゴリアテと戦っても勝てると思っていません。しかし、ダビデの羊飼いの仕事はじつは過酷なもので、獅子や熊が来て羊を取っていくこともあったようです(34)。ダビデはそのようなときでも、獅子や熊から逃げずそれらと戦い羊たちを救い出していました(36)。たとえそれが真実であっても、まだ若いダビデを戦場に送り出し、1体1でゴリアテと戦わせるのは無謀なことのように見えたはずです。それでもダビデは今まで獅子や熊から救い出してくださった主は今度も自分を守ってくださるとサウルを説得しています(37)。サウルがダビデを知らなかったわけではなく、サウルの道具持ちであった若い少年の顔ぐらいは覚えていたはずです(16:21)。もし、ダビデゴリアテと戦い負けてしまうなら、サウルは立琴を弾いて自分の心を安らげてくれる者と道具持ちを一度に失ってしまうわけです。サウルはダビデの必死な訴えと、獅子や熊を倒したという言葉を信じ、そのうえに主の名前まで出されたのなら、あえてダビデを退かせようとは考えなかったのだと思います。