1サムエル27章 一年四か月であった

1サム27:7「ダビデペリシテ人の地に住んだ日数は一年四か月であった」

アキシュはダビデがいつまでも自分のしもべでいてくれると思っていたようですが(12)、実際にダビデがペリシテの地に住んだのは1年4ヶ月だと書かれています。ダビデもサウルが死ぬまで逃げ続けるとは思っていなかったと思いますが、彼には600人もの部下がおり(2)、その内400人には困窮している者、負債のある者、不満のある者も含まれており(22:2)、彼らを統制するのはなかなか難しいことでした。さらに、彼らには妻や子どももいて、600人の部下という表記にはそれらの身内の数を数えるなら1000人を超えていたと思われます。彼らを養うためにも、イスラエルに対抗する部族と戦い戦果を挙げることが必要でしたが、ダビデはペリシテのアキシュのもとに身を寄せている身分です。ダビデの思惑としては、自分がイスラエルと決別してペリシテにかくまってもらっているというストーリーをアキシュに信じ込ませる必要がありました。なおかつ近隣のイスラエルと敵対する部族ばかりを襲ってはアキシュに疑われてしまいます。案の定、イスラエルとペリシテとの戦いのときには、アキシュ以外の全員がダビデを帯同させることを嫌がっています(29:4)。それもダビデには好都合でしたが、一応残念なふりをして同胞イスラエルと戦うことを回避しています(29:7-11)。