ヤベシュに運んで

1サム31:12「勇士たちはみな、立ち上がり、夜通し歩いて行って、サウルの死体と、その息子たちの死体とをベテ・シャンの城壁から取りはずし、これをヤベシュに運んで、そこで焼いた」
ヤベシュ・ギルアデはアモン人から右目をえぐり出せば助けてやる(11:2)、と言われて困っているところをサウルが救った場所です(11:1-13)。その後サウルから主の霊が離れてしまい、サウルの人格も変わってしまいましたが、ヤベシュ・ギルアデの人々はサウルのしたことを覚えていました。まだ王になりたてのときに、主の霊が激しくサウルに下り全イスラエルを集め、アモン人を打ったことは彼らにとっては衝撃的であり、感動したことと思います(11:6-11)。たとえ、その死に方が望まれたものでなくても、サウルのしたことは事実であり、ヤベシュ・ギルアデの人々にとっては大切なことだったのです。しかも、葬った死体の中にあのヨナタンも含まれていたのです。ダビデの義 兄弟であり、親友だったヨナタ ンの死は聖書ではわずかに1行で語られています(2)。父のサウルは主から離れてしまっていても、ヨナタンの心にはダビデに対する愛と主への信仰がありました。ダビデはヤベシュの人たちがサウルを忘れず手厚く葬ってくれたことに礼を述べ(2サム2:5)、死してもサウルに対する忠誠は忘れませんでした。