エレミヤ39章 その目の前で虐殺し

エレ39:6「バビロンの王はリブラで、ゼデキヤの子たちをその目の前で虐殺し、またユダのおもだった人たちもみな虐殺し」

王という単語が最初に聖書に出てくるのはソドムとゴモラの記事のときです。そのときすでに王国が乱立して4王がソドムとゴモラを含む6王が連合で迎撃しています(創14:1-2)。王はヘブル語で「melek(メレク)」で、旧約では2500回以上使われている単語です。聖書の神は律法と預言者を通して神のことばで国を治めようとします。しかし、人は自分勝手に生きたいために王を求めるようになります。聖書には「私たちのあらゆる罪の上に、王を求めるという悪を加えたからです(1サム12:19)」とあり、王を求めることが神に対する罪だと認識していたようです。人はどうしても上下関係をつけたがります。アブラハムの時代には「奴隷」という単語がすでに登場しており(創12:16)、人類誕生のころから人は力によって人を支配しようとしています。アニメ「キングダム」は中国の秦国の話ですが、中国でも紀元前3世紀ごろには多くの国が乱立し、ともに隣国を支配しようとしていたことがわかります。王になることは絶対的権威を手に入れると同時に、いのちを狙われる存在でもあります。北イスラエルでは最低でも8人の王が暗殺されています。南ユダでも女王アタルヤは自分の子アハズヤが死ぬと聞いた直後に、王の一族を殺しています(2王11:1)。