エゼキエル5章 自分の父を食べるように

エゼ5:10「それで、あなたのうちの父たちは自分の子どもを食べ、子どもたちは、自分の父を食べるようになる。わたしは、あなたにさばきを下し、あなたのうちの残りの者をすべて四方に散らす」

イスラエルではヨラム王の時代に、アラム軍に包囲され、城内がききんになったことがあります(2王6:24)。そのとき「ろばの頭一つが銀八十シェケルで売られ、鳩の糞一カブの四分の一が銀五シェケルで売られるようになった(2王6:24)」とあり、ろばの頭でであろうが、鳩の糞であろうが、なりふり構わず買っていたことがわかります。そして、ついには自分たちの子を殺して食べたと記録に残っています(2王6:28)。国によってそれぞれの文化は違いますが、イスラエルでは追い詰められたとき自分の肉身を殺してまで生き延びようとしています。このようなことがバビロンが包囲したことでふたたび起きるだろうと預言されています。しかも、この預言の中には子どもたちが自分の父をたべるようになる、とあります(10)。子どもが何歳かはわかりませんが、城内にはモラルが欠如し、狂気のさたとは思えないことが起きるのです。それは愛のない、神のいない国に変貌してしまったイスラエルの末路でした。隣人も家族も肉親もない、ただあるのは生き延びるために相手を殺してまで食べてしまおうとする肉欲だけです。世の終わりもきっとこのようになるのでしょう。それはノアのとき、ソドムとゴモラのときに似ていると思います。