ヘロデの妄想

マタ2:16「その後、ヘロデは、博士たちにだまされたことがわかると、非常におこって、人をやって、ベツレヘムとその近辺の二歳以下の男の子をひとり残らず殺させた。その年令は博士たちから突き止めておいた時間から割り出したのである」
いったいヘロデはどのぐらい博士たちを待っていたのでしょうか?おそらく、長い間メシアの所に滞在しているなぁ…ぐらいに思っていたのではないでしょうか?博士が戻ってこないことを知ると、ヘロデの妄想は頂点に達したと思われます。エドム人だったヘロデはローマ軍を元老院から与えられ、エルサレムを陥落させました。つまりヘロデ王が王であるのは、ユダヤ人の希望ではなく、あくまで政治的な関係で統治者となれただけだったのです。そこに真の王が誕生した、などという知らせが届いたわけですから、寝耳に水の状態です。自分はユダヤの王になるために、ローマに媚びを売って必死に点数稼ぎをしてきたのに、生まれながらのメシヤとはうっとおしい存在だったに違いありません。ヘロデはその役職に異常なまでの執着を見せました。ユダヤ人の心をつかみ、支持される王になりたいがゆえに、神殿を40年以上かけて再建します。2歳以下は、念には念をいれるヘロデ王の執着心の表れだったと思います。