ルカ23章 死罪に当たることは、何一つしていません

ルカ23:15「ヘロデとても同じです。彼は私たちにこの人を送り返しました。見なさい。この人は、死罪に当たることは、何一つしていません」
ピラトはイエス様に「あなたは、ユダヤの王か」と聞いており、イエス様は「そのとおりです」と答えています(3)。捕らえられ自由のない男が、自分がユダヤの王だと名乗ったとしても、誰も信じないでしょう。ピラトもそれが罪だとは感じなかったようです。そして、ヘロデとピラトの意見が一致したことで、ふたりは仲良くなったとあります(12)。ローマの法律の下では、イエス様はユダヤ人の王と名乗っただけの男と見なされ、何か刑罰にあたるものはないと判断されたのです。それに対し、ユダヤの律法から見ると「主の御名を冒涜する者は必ず殺されなければならない(レビ24:16)」というものがあり、イエス様が自分を神の子だとしたことで、この律法に触れると判断されました。ローマ側では無罪、ユダヤの律法では死罪と異なる結論ですが、ユダヤ自治区は人を勝手に死刑にする権限を持っていません。しかも、ユダヤ王ヘロデが無罪だと主張するなら、ピラトも釈放するのが最善だと考えたようです。しかし、祭司長たちは群衆を扇動してまで(マコ15:11)、十字架につけるように要求しました。それはイエス様が釈放され、再び神殿で多くの民衆に新しい神の国を説くことを嫌がったからです。カインと同じねたみが人の命を奪ったのです(創4:8)。