知恵と愛

2歴10:4「あなたの父上は、私たちのくびきをかたくしました。今、父上が私たちに負わせた過酷な労働と重いくびきを軽くしてください。そうすれば、私たちはあなたに仕えましょう」
ソロモン王は、富と知恵とにおいて、地上のどの王よりもまさっていた(9:22)、とあります。世界中から彼の知恵を聞くために謁見を求め、見返りとして多くの貢物を持ってきました(9:23)。現在の外交で言うなら、知的財産をを譲り外貨を獲得する政策と同じです。しかしソロモンの内政処理は、過酷な労働と税金とでまかなわれており、民が苦しんでいたことがソロモンの死後発覚しました。世界でもっとも知恵にあふれた男が、民の苦しみに目をとめられなかったのでしょうか?ソロモンは多くの箴言を残し、人生の奥義を私たちに教えてくれています。また伝道者の書もソロモンが書いたもので「空の空(伝1:2)」は有名な言葉です。それはどんなに人生で労苦しても無意味だという悟りです。にも関わらず、妻は700人、めかけは300人(1王11:3)、贅の限りを尽くしイスラエルで銀は価値あるものとみなされていませんでした(9:20)。知恵はあるが、愛はない…ソロモンが主の愛を理解することを求めていたら、歴史は変わっていたのかも知れません。