レギオン

ルカ8:33「悪霊どもは、その人から出て、豚にはいった。すると、豚の群れはいきなりがけを駆け下って湖にはいり、おぼれ死んだ」
その悪霊は「レギオン」だと名乗っています(30)。レギオン(あるいはレギオー)はローマ軍隊のことを指す言葉で、一個連隊は5000から6000人いたと言われています。もし名前がその体を表すものだとするなら、レギオンは大勢であり、まとまって行動する訓練された集団だと言えます。彼らが豚に入ったとき、悪霊の軍団はまっすぐ前を目指して走り始め止ることがありませんでした。わき目もふらず、猪突猛進で、命がなくなることもお構いなしで軍隊は猛突進をし、豚は溺れ死んでしまいました。マルコでは豚の数は2000ほどだとあります(マコ5:13)。そのような訓練を受けた統一行動がとれる集団が、たった一人の人の中にいたのです。しかし悪霊に入られた男は自らを傷つけることはあっても、死ぬことはありませんでした。それは神が造られた人の命を勝手に触ってはならなかったからです(ヨブ2:6)。サタンのすることは誘惑です。信仰を崩し、疑わせることが彼らのできることです(創3:1)。神を疑い、信仰を失ったら、後は人のほうで勝手に自滅し始めます。神の判断に頼らず、自分の判断を中心にし、未来を恐れ、不安になりやがて絶望するのです。この男は絶望し、死と隣りあわせの墓場にいました。イエス様はこの男の命のぎりぎりのところへ現れ、最善の結果を与えたのです。