決裂したある出来事

エズラ4:24「こうして、エルサレムにある神の宮の工事は中止され、ペルシヤの王ダリヨスの治世の第二年まで中止された」
クロス王(ギリシャ語読みではキュロス)は、バビロニアを倒してアケメネス朝ペルシャを建てた王です。歴史の年表には紀元前539年とされています。そのペルシャを建てた直後に、主がクロス王の霊を奮い立たせた…とあります(1:1)。エルサレムの神殿は南ユダ王国のものでしたが、北イスラエルの10部族も神殿再建の噂を聞きつけ協力を申し出ます(2)。しかし長い間敵対してきた国同士は、たとえ同じ民族であっても、いきなり講和してお互いに協力し合うことなど無理なのです。申し出を断ると、10部族は執拗に妨害し始めました。敵対していたとしても「手伝いたい」と言うなら受け入れれば良いのに、と思いますが、長い間の確執がそうはさせなかったようです。クロス王の治世は10年だったので、その間はわずかなことしかできませんでした。彼らの手紙によると「城壁を修復し、その礎もすでに据えられて(12)」とあるので、とりあえず礎まではできていたようです。とはいえ、この協力申し出の拒否は後々まで遺恨を残し、イエス様の時代まで両国のわだかまりは続くのです。