ヨブの中に罪は残る

ヨブ25:1「シュアハ人ビルダデが答えて言った」
このビルダデの言葉を最後に、3人の友はヨブを説得することをやめてしまいます。聖書にはヨブが「自分が正しい」と思っていたからである(32:1)…と書かれています。そしてエリフの怒りのヨブへの語らいと続きます。主の目から見て、サタンに自慢するほどのヨブであっても、欠点はありました。サタンはそこを突いたのです。ヨブの言葉にも、3人の友の言葉の中にも真実はありました。すばらしい信仰の3人が認めたほど、ヨブの神に対する態度は正しいものでした。しかし、話を進めていくうちにヨブの心の欠点は浮き彫りされていったのです。「自分が正しい」は、自分は間違えない、すなわち自分こそ義であると錯覚に導く考え方です。そして弱い人間なら、他人を裁く心を持つことにもつながりかねません。「私は悪くない」と「私は正しい」の言葉の間には微妙なニュアンスの違いがあると思います。ヨブは徐々に、「悪くない」から「正しい」に主張を変えていきました。罪はない、私は見えている…と言う人の心に罪は残るのです(ヨハ9:41)。