ヨブとアダム

ヨブ31:33「あるいは、私がアダムのように、自分のそむきの罪をおおい隠し、自分の咎を胸の中に秘めたことがあろうか」
ヨブの口から「アダム」の名前が出てくるとは思いませんでした。ヨブがいったいいつの時代の人なのか不明ですが、エゼキエル書には正しい3人として、ノア、ダニエル、ヨブの名前が挙げられています(エゼ14:14)。唯一ヨブの出身がわかる資料が1章1節の「ウツの地」という表現で、ウツ人はアブラハムの弟ナホルの妻ミルカが生んだ長男ウツの子孫です。果たしてヨブがウツから何代目の子孫かわかりませんが、アダムを知っていたのは事実です。世界の歴史は一度ノアの時代に終わりましたが、ノアが自分の祖先について正しく記録を残したゆえに、後々の子孫にもアダムの名前が伝わっていました。それだけでなく、ヨブはアダムの犯した罪についても言及しているのです。つまりヨブは罪の概念を知り、人類の歴史がアダムによって始まり、アダムの罪のために贖罪をしなければならないことを知っていました。ヨブが賢く、知恵があり、知識も豊富であればあるほど、彼の弁護の口調はますます強くなっていくのです。