ウツの地のヨブ

ヨブ1:1「ウツの地にヨブという名の人がいた。この人は潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた」
ウ ツという地はエレミヤでは他民族の土地だとされ「混血の民(エレ25:20)」と表現されています。また他の個所ではエドム人たちがいたとされ、これもや はり純粋なユダヤ人がいなかったという証拠になっています(哀4:21)。地理的には現在のヨルダンの下あたりが考えられますが、「東の人々の中で一番の 富豪であった(3)」と書かれているので、もっとイラク寄りの地域かあるいはサウジアラビアの北あたりだった可能性があります。主とサタンとの会話の後で シェバ人とカルデヤ人が襲ってきたとありますが(15,17)、カルデヤのウルはアブラハムの出身地です。ヨブに関しては系図などがなく、また聖書で最も 古く書かれた書簡と言われているゆえにヨブの出生が気になるところです。まだウツに王などがいなく、アブラハムと同じように放牧をおもな生活の糧としていた時代の話です。そして、エレミヤにあるように異教がまだ入り込んでいないこ ろで、純粋に神を信じる信仰がありました。それでもノアとダニエルと並び称される信仰者として聖書に名を残しています(エゼ14:14)。