祝福してもなお悪業

民24:1「バラムはイスラエルを祝福することが主の御心にかなうのを見、これまでのように、まじないを求めに行くことをせず、その顔を荒野に向けた」
バラムがバラクに選ばれた理由は、そのまじないや占いが実績のある結果を残していたからだと思います。文脈からバラム自身はインチキではなく、実際に神と交わることができ、主の御心を知ることができたのがわかります。バラムは自分の占いが金になることを知っていました。バラクの言うように、イスラエルを呪って金だけ持って逃げてもよかったはずです。しかし、バラムはロバが話し、抜身の剣を持った天使を目撃したばかりでした。ロバが身を壁に押し付け、前進を拒まなければ、天使の剣でバラムは殺される運命でした。それゆえ、バラムはかたくなにイスラエルを祝福する言葉を語り続けたのです。最後にはまじないをすることもやめ、顔を荒野に向けて見たとき、まことの神の霊がバラムに臨みました(2)。ここまでの話を聞くならば、バラムは異教の呪い師にも関わらず、イスラエルの神の声を聞き分け、イスラエルの危機を救った英雄のように感じますが、結果的にバラムはイスラエルに不従順の知恵を与え、惑わしたことが聖書に書かれています(黙2:14)。やがてミデヤン人を攻め滅ぼしたときにバラムの名前がその中に見つかります(民31:8)。悪業高きバラムもやがては死に、人の栄光は地に埋もれてしまうのです。