テモテに関するコメント

1コリ16:11「だれも彼を軽んじてはいけません。彼を平安のうちに送り出して、私のところに来させてください。私は、彼が兄弟たちとともに来るのを待ち望んでいます」
パウロとテモテは、パウロが伝道旅行の途中で出会いました(使16:1)。テモテは若いながらも評判が高く、主に仕える姿がパウロには好ましく思えたのでしょう。その後、テモテはパウロに従事し、訓練を受けて教会の開拓を任されるほどまで成長しました。コリントへの手紙のころはまだ、訓練の途中だったのだと思います。若くしてリーダーになったテモテは、知識や信仰では他の者たちに優っていたものの、若さゆえに軽んじられる傾向にあったようです。特にコリントの教会は、分派が起きるほど各自の主張が強い教会です。テモテがその中で活躍しようとしても、なかなか一筋縄ではいかなかったようです。パウロはテモテを気遣い、彼が心配なく過ごせるように手紙に書いています(10)。それは逆に言うと、手紙に書かなければテモテが安心して過ごせず、軽んじられるかもしれない…ということになります。パウロがテモテを送るのは、それなりにテモテが活躍できる教会だと判断したからです。テモテには、港町でいろいろな人種が集まり、さまざまな意見をもつコリントの人たちを見せることで、牧会の勉強をさせたかったのでしょう。たった数行のテモテに関するコメントにもパウロの深い愛情が伝わってきます。