イザヤの子の名前

イザヤ8:3「そののち、私は女預言者に近づいた。彼女はみごもった。そして男の子を産んだ。すると、主は私に仰せられた。「その名を、『マヘル・シャラル・ハシュ・バズ』と呼べ」
イザヤにはすでにシェアル・ヤシュブという子がいることが書かれています(7:3)。そうするとこの新しく生まれた子はイザヤの次男ということになります。イザヤが結婚していたことはよく知られていますが、妻の名前は聖書にはなく、ただ「女預言者」とだけ書かれています。シェアル・ヤシュブは「残りの者は帰るだろう」という意味で、捕囚の後イスラエルの民が帰られることを暗示した名前です。一方、マヘル・シャラル・ハシュ・バズは「分捕りは早く、略奪は速やかに来る」という意味で、これから捕囚にある運命を知らせる名前です。イザヤの息子たちが、後にどれほどの活躍をしたかは知られていませんが、ものすごい名前をつけられた息子は存在そのものがメッセージになります。長男シェアル・ヤシュブは、イザヤに伴ってアハズに会ったとあります(7:3)。しかし本来は、アハズは長男ではなく次男と会うべきでした。もうすぐ、アッシリアが攻めてきて、イスラエルは略奪され捕囚に合う運命です。果たしてイザヤの子の名前がどれだけ歴史的な意味を持ったかどうかはわかりませんが、預言者たるものすべての生活が神と共にあり、自分の子どもの名前さえ預言の道具として使われるのです。よほどの献身の覚悟がなければできないことです。