姦淫の女

ヨハ8:5「モーセは律法の中で、こういう女を石打ちにするように命じています。ところで、あなたは何と言われますか」
モーセの律法を持ち出すのなら、女と一緒に姦淫をしていた男も同罪です。「人がもし、他人の妻と姦通するなら、すなわちその隣人の妻と姦通するなら、姦通した男も女も必ず殺されなければならない(レビ20:10)」とあるからです。もし彼女が売春婦であるなら、女を買った男も同様に殺されなければならないはずです。これは勝手な想像ですが、イエス様が女を「婦人」と呼んでいることから、彼女が結婚している、あるいはしていた女性の可能性があります。原文ギリシャ語の「gyne(グネイ)」は、女性一般に対する呼称で「婦人」だけでなく何とでも解釈できます。彼女がその場にひとり取り残されたことから、夫のもとに帰れない未亡人ようにも見えます。イエス様は正しいさばきをすると自ら証言しています(16)。もしそうなら、この女が自らの欲望のために姦淫を犯したのではないことをイエス様は感づかれていたのではないでしょうか?何らかの事情で売春をするようになった女は、その辺では有名だったのかもしれません。たまたま見つけた姦淫の現場ではなく、おそらくイエス様を訴えるためにスケープゴートにされ、うまくいけば姦淫の女とイエス様の両方を処分できると踏んでいたのでしょう。しかしイエス様の知恵は訴えたすべての男たちを黙らせました。