ピリポの信仰

ヨハ14:8「ピリポはイエスに言った『主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足します』」
ピリポの発言はそのすべてがヨハネ福音書に書かれています。いつも一緒にいたバルトロマイは、イチジクの木の下にいたのをイエス様が見たと言っただけでイエス様を信じました(1:48)。片やピリポはイエス様に出会い「わたしについて来なさい(1:43)」という言葉で召され、すぐにイエス様の弟子になりました。ピリポは非常に現実的で、バルトロマイが「ナザレから何の良いものが出るだろう」と発言をしたとき「来て、そして見なさい(1:46)」と言っています。また5千人の給食の際は、イエス様の「どこからパンを買ってきて食べさせようか(6:5)」という問いかけに、「少しずつ分けても200デナリでは足りません(6:7)」と答えました。そして14章のこの言葉です。「私たちに父を見せてください。そうすれば満足します」…トマスも懐疑的な性格でしたが、ピリポも負けず劣らず、現実的で目に映るものを信仰する傾向がありました。ピリポが考えることは私たちのほとんどが心に思い浮かべることです。「仕事のこと」「将来は」「年金が」…現実を見るなら、ピリポと同じ態度をとってしまうでしょう。現実はどうあれ、天の父なる神がおられ、イエス様は実際に生きておられます。福音は見えるものを信じる人たちのものでなく、神を期待する人たちのものです。