ダン族が消えたわけ

士17:5「このミカという人は神の宮を持っていた。それで彼はエポデとテラフィムを作り、その息子のひとりを任命して、自分の祭司としていた」
このころイスラエルはめいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた(6)と書かれています。ミカの取った行動は盗み、偶像崇拝…と十戒に反するものでした。盗まれた銀でエポデやテレフィムを作ったところで、祝福を受けるわけでもありません。しかし、「自分の目に正しいと見えることを行っていた」ために、それもミカ自身の中では正当化され、主に忠実な行為と思っていたのです。ミカはイスラエルの神を形だけ真似て、礼拝していました。自分の息子を祭司に任命し、ナンチャッテ神殿はいかにもそれらしい雰囲気だったと思います。あるとき、ミカにチャンスが訪れます。ベツレヘムから本物のレビ族の若者が現れたのです。彼は年間10枚の銀で彼を買取り、自分専用の祭司としました。聖書の中の銀は、人の売り買いを象徴するもので、実際に奴隷は銀で取引されていましたし、イエス様もユダに銀で売られました。そう言う意味では、ミカは祭司をカネで何とかしようとしたのです。やがて、ダン族が現れ、ミカのナンチャッテ神殿の神具や祭司は奪われてしまいます。黙示録にある12部族にはダンの名前はありません(黙7:5)。ダン族の堕落の原因となったのがミカの略奪事件です。その引き金を引いたのが、ミカという男の見栄だったのです。