美しの門事件

使3:11「この人が、ペテロとヨハネにつきまとっている間に、非常に驚いた人々がみないっせいに、ソロモンの廊という回廊にいる彼らのところに、やって来た」
舞台は美しの門からソロモン回廊に移ります。美しの門はメインゲート「黄金の門」に通じる神殿の3箇所ある入り口のひとつで、最も人通りの多かった門です。人が集まるところに物乞いする者がいるのは自然で、この生まれつき足が不自由な男もその中のひとりでした。彼はペテロとヨハネに足を治して欲しいとは思っていませんでした。彼の望んでいたものは金銭です。その日食べられるだけのお金があれば、彼はまた生きながらえることができます。そんな1日を食いつなぐ分のお金を貰えないかとペテロとヨハネに声をかけたのです。しかしペテロは「お金はないが代わりにわたしの持っているものをあげよう」と言って「ナザレのイエス・キリストの名によって、歩きなさい(6)」と宣言しました。ペテロがあげたものは何だったのでしょうか?まず、信仰です。さらに神の癒しの業、そして自由に歩ける足が与えられました。男は毎日美しの門にいたので、彼を知る人は大勢いたはずです。それゆえ、彼がペテロとヨハネの側で付きまとっていた姿は驚き以外のなにものでもなかったでしょう。ソロモン回廊は壊されたソロモン神殿の唯一残された部分で大きな柱に屋根がついている回廊です。民衆は奇跡を目の当たりにし、興奮してペテロとヨハネのもとに集まってきたのです。