困り果てて

使16:18「幾日もこんなことをするので、困り果てたパウロは、振り返ってその霊に、「イエス・キリストの御名によって命じる。この女から出て行け」と言った。すると即座に、霊は出て行った」
「いと高き神のしもべたちで、救いの道をあなたがたに宣べ伝えている人たち(17)」というのは事実で、嘘ではありません。なぜ、本当のことを言われて困る必要があったのでしょうか?イエス様を見て「いと高き神の子」と告白したのは悪霊につかれている男でした(マコ5:7など)。ここでいと高き神の子やしもべと告白しているのはその人自身ではありません。救われるときに誰かの意思を代弁して「信じます」と告白しても、真の救いは訪れないでしょう。占いの女があたかも真理を語ったように見えても、実はそうではないのです。悪霊は時に真実を語らせることで人を惑わせようとします。占い師のみならず、人前に立つ人々の言葉は重要です。政治家、評論家、タレント、学者などなど、彼らの言葉に人の心は左右され、信じたりだまされたりします。占い師の女の言葉は影響力があったのでしょうが、彼女の本心ではありませんでした。パウロは福音が人を通して神の栄光が現れることをよく理解していました。つまり、悪霊でさえ御言葉を語ることができるなら、霊を見分ける力が備わっていなければ簡単にだまされてしまうということです。パウロはおだてには乗らなかったのです。