ケルビムその2

エゼ10:14「そのおのおのには四つの顔があり、第一の顔はケルブの顔、第二の顔は人間の顔、第三の顔は獅子の顔、第四の顔は鷲の顔であった」
エゼキエル1章の記述と少し違っています。「彼らの顔かたちは、人間の顔であり、四つとも、右側に獅子の顔があり、四つとも、左側に牛の顔があり、四つとも、うしろに鷲の顔があった(1:10)」1章には「牛」の顔となっていますが、ここでは「ケルブ」の顔になっています。したがって「ケルブ」は「牛」に似ているのではないか、という研究者もいます。牛は反芻(はんすう)する動物で聖いとされています(レビ11:3)。獅子はユダ族の象徴で「ユダは獅子の子(創49:9)」と表現されています。鷲は空中の覇者で聖書の中では、民を連れ出し(出19:4)、速さの象徴とされ(エレ4:13)、中天ではメッセージを知らせるメッセンジャーとしても描かれています(黙8:13)。ケルビムは聖さ、強さ、告知者としての役割を持つ、万能の生き物で、常に主の臨在の近くに存在しています。そしてもう1つの顔が人間の顔だと書かれています。もともと人は神の形に似せて造られた(創1:26)、とありますから、人の顔を持つケルビムは人の性格も持っているのかも知れません。何度読んでもイメージのつかめないケルビムですが、主の前に立つときにはその姿を見ることができるでしょう。豊かなアイデアを持つ主の創造物を見るとき、その完成度に驚かされると思います。