宝物倉の番人

1歴26:28「すべて予見者サムエル、キシュの子サウル、ネルの子アブネル、ツェルヤの子ヨアブが聖別してささげた物、すなわち、すべての聖なるささげ物は、シェロミテとその兄弟たちにゆだねられた」
サムエルの時代から、初代王サウル、将軍たちがささげた物は高価で価値があったと思います。主にふさわしいそれなりのささげ物は、今で言う「財宝」と呼べるものだったに違いありません。シェロミテはアヒヤ族の出身で(20)、宝物倉の警備の担当です。現代の銀行でもそうですが、大切なものを管理するには正直な心と、何かあったときに守ることのできる防御のちからを持ち合わせていないとだめです。シェロミテが選ばれたのは、それらの能力に長けているのをダビデが認めたからだと思います。しかも「ゆだねられた」とありますから、彼らへのダビデの信頼は相当なものだったと推測できます。ちょっとでもよこしまな思いをシェロミテの中に見いだすなら、宝物倉に近づくこともできないでしょう。ダビデが集めた金、銀その他の宝物はソロモンの繁栄のいしずえになりました。ソロモンは貿易と各国から来る来訪者の謎解きの謝礼などで、イスラエルで最も金持ちだった王です。ソロモンの時代には銀は価値あるものと見なされていませんでした(1王10:21)。いつの時代にも金持ちには有能な金庫の番人がいるものです。